七ヶ宿の白炭ができるまで
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bbbbbb伐採、木割り、炭出しの動画
bbbbbb炭焼の道具


                                                            

 


bb原木の伐採


チェンソーなどを使って、原木のナラなどの樹木を伐倒します。倒す時は、どんな木でもある種の緊張感を必ず伴います。木のいのちに対する畏敬の念のようなものでしょうか。倒した後、幹も枝も、1.5mほどの長さに切り分け(この作業を玉伐りと言います。)炭窯まで、運搬車やトラックを使って運びます。


広葉樹は伐採した後、切り株や根っこから自然と次のいのちが芽生えます。「萌芽更新」(ぼうがこうしん)と言います。20〜30年で再び炭に焼けるくらいの太さになります。炭焼が永続可能な営みである由縁です。


bb 木割り

運んだ原木のうち、太いものは、ある程度割ります。木は横にしたまま、まさかりで1発木口に入れ、できた割れ目にカナヤという鉄製のくさびを差し込み、それをアオ(木の根っこやこぶを利用して作る大きなハンマー)で叩き、割れ目を大きくし、それを数回繰り返し、おおかた割れたら、まさかりでとどめを刺したり、繊維を切ります。


bb立て込み



1窯分の原木が準備できたら、窯の中へ立てて詰めていきます。原木の太い方が上になるように立て込んでいきます。ふつうは、炭を出した後の、石がまだ赤く焼けている中へ立てるため、窯の中に入って立てるわけにはいきません。そこで、タテマタやテコボウという道具を使います。手前に来ると、木が窯口につかえるので、道具は使わずに投げて立て込んでいきます。これを「投げ立て」と言います。


bb口焚き、炭化、窯加減

窯いっぱいに立て込みができたら、窯口の上3分の1ほどを石と粘土で塞ぎ、窯口で火を焚きます。窯の中の温度を上げて、原木の熱分解を開始させるためです。原木は300℃前後になると、分解が始まります。空気があれば炎を出して燃焼してしまいますが、空気がある程度少ないと、炭素だけを残して他のものが煙となって放出されます。この分解の時に熱がでるので、この現象を熱分解といい、これを炭化とか乾留とか呼んだりします。ある程度熱分解が進めば、窯口で火をたかなくとも、原木自身が分解されていく時に出す熱でもって、他の部分の熱分解が進みます。これを自発炭化といいます。煙の臭いや色、勢いなどで、その頃合いを判断し、窯口を小さな空気穴を残して、石と粘土でふたをします。窯の後ろの排煙口(クド)もある程度塞ぎます。前の窯口、後ろのクドの塞ぎ加減を調整して炭化の進み具合を調整します。経験と勘がものをいいます。連続して焼いていると、窯が暖まっていて、蓄熱した石の熱でもって、自然と炭化が始まる場合も多いです。
 

bb精錬


滞りなく炭化が進んで、炭化が終わる頃合いを、煙の色、臭い、勢いなどで判断し、塞いでいたクドを少しずつ広げていきます。広げることで炭化が終わった窯の中に空気が入り、炭がおきた状態になり、炭の温度を上げていきます。これを精錬と言います。「あらしを食わせる」とも言ったりします。ゆっくりと時間をかけて、炭に無理がかからないように心配りしながらの作業です。通常精錬には7〜8時間ほど時間をさきます。ここまでで、窯をしっかり密閉して、窯がさめるのを待ってから出炭するのが黒炭の製法になります。

 

bb炭出し


徐々に窯口の方も塞いでいた粘土や石を取り除いていき、最高潮に炭の温度が上がれば、いよいよ炭出しです。カナエボリという道具で窯口の外に出し、オオエボリという道具でスバイニワの窯口から離れたところまで引き寄せ、スバイという消し粉をかけて消火します。これを10回程度繰り返して炭を全部出します。 ここまでで1工程終わりです。炭を出し終わったら、すぐさま原木の立て込みをし、窯口を塞ぎ、次の炭化の行程が進みます。この繰り返しです。蓄熱した石の熱を利用するので、白炭の製法は、連続して焼くことで効率があがり、炭の質も向上します。

 

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利用

仙台メディアテークさんの3がつ11にちをわすれないためにセンターに取材を受け、制作していただいた記録動画です。少し長いですが、ご覧ください。伐採編、木割り編、炭出し、立て込み編の3本です。
木割りの時の体のつかいかたは、試行錯誤を日々しておりまして、たまに家内に撮影してもらって、自分で見て検証しさらなる向上を目指しております。その動画も2本ほど。

bb伐採編


bb木割り編

 

bb炭だしと立て込み編




bb木割りその1(家内撮影)



bb木割りその2(家内撮影)




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炭焼道具

アオ

木を割る時に使うカナヤをたたくための、カケヤのようなもの。木のコブなどを利用して自作する。
写真の柄はガマズミ。他には、ウシコロシ、アオダモ、リョウブなど、しなみのある木をすげて作る。

カナヤ

木を割る時に使うくさびのようなもの。2丁あれば、たいていの木を割ることができる。
写真はないですが、マサカリ(斧)はもちろん使います。

タテマタとテコボウ

タテマタとテコ棒。窯の中に木を立てる時に使う道具。
柄は木で、石の焼けた窯の中に入れて使うため、焼けてしまうので、水をかけながら使う。
テコ棒はただの棒の先がくさび状に削ってあるだけのもの。
長さは2.5m程。斜に立ってしまった木の地面と接しているところに入れて、真直ぐになおすのに使います。


コエボリ


コエボリ。窯口周辺の土やスバイをならして、掃除するための道具。
小さいエボリの意味。口焚きを終えて、ふたをする時に、消し炭をかき出す時にも使う。

窯口トンビ

ふた石(窯口のふたにしてある一番大きい四角い石を、炭を出す時にはずして、移動させるための道具。
トンビはふつう木にさして、木を動かすために使うが、これは石が相手なので、先が尖っている必要はない。材木いじりの時に、刺さらないトンビを使っていると、「窯口トンビだな」と、ばかにされたりしたそうです。

カナエボリ


文字どおり、鉄製の道具。柄は軽い朴の木を使う。
真っ赤な炭を、窯口までかき出す道具。重いので、炭小屋の天井から釣って使ったりもします。

 

オオエボリ

窯口まで出した炭をヒッツケまで移動させるのに使う道具。
ナラなどの固い木の板を使います。ある程度重さがないと、炭の上にこの道具が乗ってしまって、うまくひっぱれません。炭焼きの道具の中では、これが一番大きいかな。

 

ホギリ棒

スバイをかけて消火した炭を、その中から炭だけ出すための道具。
朴の木の又のところを利用して作る。角度が丁度いいのがなかなかない。実際はスバイが下に残って、炭だけその上に載せる感じになります。

 

ハギボウキ

文字どおり、ハギの柴でを束ねただけのもの。
消火の時に、スバイをならしたり、スバイ庭を掃除する時に使う。炭焼きでなくとも、ちょっとした土間の掃除等にも使えます。ハギは朽ちにくいので、ハギを使うようです。

 

ミッケ

ホギリ棒で分けた炭を袋詰めする時に使うふるいのような道具。スズタケやハギなどを、それもその年に出たタケ(若いところ)を刈ってきて編んで作ります。タケとタケの隙間の大きさを加減したりして、炭の選別の役目もします。

 

テッカイまたはテッケ

ミッケに炭を集める時に使う道具。他にも、地面をならしたり掃除するのにも使います。


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